少林寺拳法 修行日記

日常生活 即 少林寺拳法

道院長への道

余裕の無い世の中。百年に一度と言われる大不況の真っただ中。

世間ではネットカフェ難民ニート、派遣切りの話題が事欠かない。

取引先の企業は一カ月のうち何社かが必ず潰れていく。日経新聞読んでても、どこの企業も減収・減益の話題ばっかりや。

気のせいか、U田の駅の中でもホームレスの数が増えたような気がする。

みんな、自分の生活を守るために必死だ。家族を持っている人は例え嫌な仕事であろうと、決して投げ出すことはできない。

みんな必死だ。

ただ生きることだけに。


高校生の頃には、なんとなく思っていた。
「俺も将来、道場とかやってみたいな」
なんとなく思っていた。

大学生の頃、方向性が決まった。
「俺はこんな道場を作るぞ!熱くて、あったかくて、一生懸命になれる。こんな道場絶対作るぞ」
そしてその思いは
「こんな道院があったということを、忘れてはならない。伝えなければならない」
俺の勝手な使命感となっていく。

社会人になって、仕事で凹まされながらも諦めきれず、いつの間にか意地になっている自分がいた。
「こんな中途半端なままで・・・やめれるかよっ!やるって言ったらやるんじゃ!」

志は使命感へと変わり、そして

意地へと変わっていった。


少林寺拳法は社会のリーダーを作るのが、いわゆる目的の一つである。
当然、道院長たるもの、会社や地域社会においても一目置かれるようなリーダーシップを発揮しなければならないはずだ。

でも、どうだろう。

道院長ともなれば、任せられる門下生がいない限り、まずは自分が一番先に来て修練場所の鍵を開けなければならない。遅刻なんてできない。

でも普通のサラリーマンが仕事もそこそこに

「今日は道場がありますので、お先に失礼します」

とサササッと帰ってしまえば、上司に睨まれるばかりか、部下や後輩からも信頼を得られないのではないだろうか。当然出世などできない。社会のリーダーなのに、会社ではまずリーダーになれない。

職場だけではない。

普段の週二回以上の練習日に加えて、日曜日は武専、昇級試験、大会・・・さらに本部帰山ともなれば・・・しかもそれに伴う出費。

家庭が壊れかけんわな(笑)

俺なんか土曜日の練習+日曜日の武専or大会or審判講習会+金曜日の格闘技仲間との自主練習会に行くだけでも大変やで。彼女が怒る怒る。

これまで習ってきた先生。

高校生まで習ってた先生。結局早期退職したなぁ。多分職場ではあんまり偉くなかったと思う。

大学と今の師匠。少林寺拳法で飯食ってたなぁ。でもそれだけに「プロ」と呼べるほどの技と、人を惹きつける「カリスマ」をもってはった。

少林寺拳法を続けるために色んな職業を転々とした先生って結構いると思う。

でもそれって、社会のリーダーを作っているってことなのかな?

今、道院長をしている先生は自営業の社長とか、公務員が多いと思う。

冒頭書いた通り、百年に一度の大不況の時代。

自分の生活もままならないのに、加えて道院の運営もするとなると

その時点で修行やな。信徒香資(寄付)という名目で、自分の生活の足しにならないとは言え、わずかでもお金を取って教えるわけである。中途半端なことはできない。

今の職場では無理。

平日の仕事が終わるの大体夜の9時。練習が終わっとるわ。

ちなみにこの前、いつも7時過ぎに帰る係長が課長に

「帰宅時間が早すぎる。そんな態度じゃ出世できない」

って言われとったわ(笑)

このアホ課長もどうかと思うが、世間てやっぱりそう見るのよね。

俺が本気で道院を開くとするならば、職場環境と生活基盤から見直さなあかん。

開祖はホントに険しい道を用意してくれたなぁ

と思う、今日この頃。

(´・ω・`)フゥッ