少林寺拳法 修行日記

日常生活 即 少林寺拳法

受身

先日、10数年ぶりに審判講習会を受講した。

いろいろと思うところはあったのだが、その中で1点、思ったことがある。

近年、「飛受身」というものがあり、端的に言えば過度な飛受身を禁止する、とのことだった。

「飛受身」という用語や概念自体、俺は知らない。習ったことがないし、やったこともない。その例として、映像を見せてもらったが、真横に飛んで回転するような受身?であった。それが失敗して頭を打って脳震盪を起こした映像だったが、なんじゃそりゃ、と思った。受身というよりアクロバットの失敗だな、と思った。

そもそも、少林寺拳法の投げ技の成立要件において、真横に飛ぶということはない。映像を見ると、足捌きも体捌きも全くなく、守者が持たれた手を横に倒すのに合わせて攻者が回転していた。技が掛かっているわけではないのだ。

俺が思うに、少林寺拳法の技が掛かるためには、体捌き、あるいは足捌きによって、守者は引っ張らない程度に「開く」。そうすることによって、「斜めの回転」が掛かるので、真横に飛んだり、真正面に前方回転をするような投げられ方にならない。

 

もっと言うと、小手投等の逆小手系の技で投げる場合、守者は小指から巻き込んで、攻者を「引き上げる」動作が必要となる。この「引き上げる」動作があるからこそ、攻者の身体は回転する。守者が攻者の身体をコントロールしなければいけないのだ。

 

審判講習会の内容に従えば、技の成立の要件が整っていないので、0点だと思うのだが、それを今更言ってもしょうがないのだろう。演武する側もそういうものだと思って練習しているのだろうし、それが評価されるのだから。

YouTubeでいくつかの演武の動画を見てみたが、20年くらい前の動画ではまだ斜めの回転で受身をとっているように見えた。真正面や真横に回転するようなアクロバティックな受身?は、最近のトレンドのようだ。

そりゃケガするわな。