少林寺拳法を見せてください。
ふと、思い出した。
昔、先生が法話の中で
「少林寺拳法を見せてください。そう言われたらどうする?」
と俺たちに問うた。
すかさず、当時26~27歳の人が道衣を前に出し
「持ってください(と言います)」
と答えた。
前後の話の流れは忘れてしまったが、当時俺は大学生で、それを聞いた瞬間、失礼ながら
「うっわ。この人アホやな。全然先生の言ってる意味がわかってねぇ」
と思ったことを覚えている。
技を掛けるという行為は、少林寺拳法の技術を見せるということに過ぎない。
先生は確か
「僕を見てください、と言うしかないんだ」
というような意味のことを言ったと思う。
例えば、職場で上司や先輩に
「あいつ何かほかの奴らと違うな?何かやってるのかな」
もちろんいい意味で。
そして誰かが答える。
「少林寺拳法をやってるみたいですよ」
と。
例えば学校で
「最近明るくなったし、積極的になったな。何か始めたんか?」
と先生に聞かれる。
自信を持って答える。
「少林寺拳法を始めました」
と。
集団の中にいながらもキラリと光る存在になる。
少林寺拳法を見せるとは
そういう事なんだがなぁ。