病
俺には、少林寺拳法の師が複数いる。
そのうちの一人の方が病であることを、ある方から知らされた。
道院は継続しているようだが、いつどうなるか分からない。
先生が今の俺よりも若いころから知っているだけに、若干のショックを受けた。
少年のころ、本当に尊敬していた先生だった。
しかしその後、俺は複数の先生に師事し、その先生とは「ズレ」が生じた。技においても教えにおいても。
そのせいで、先生とはぶつかることもあったが、先生の道院の所属としてずっと置いてくれた。
それは俺の甘えでもあり、先生の優しさでもあっただろう。
年齢を重ねるにつれ、直接ぶつかるようなことはなくなったが、「ズレ」は解消するにいたらなかった。
お互い、そこには触れないようになっていた。門下生ではあるが、よそよそしい関係になっていた。
今は少林寺拳法自体から距離を置いているが、もちろん俺は復帰する。
そのために脱サラしたのだから。
できれば、それまで先生には元気でいてほしかった。
俺の少林寺拳法を見てほしかった。
まだ亡くなったわけではない。
しかし
歩みの遅い自分が
もどかしい。