少林寺拳法 修行日記

日常生活 即 少林寺拳法

開祖の亡霊

ある先生が30代前半の時、道院設立志し、本部の講習を受けに行った時のことだ。

講師を務めていた先生に

「開祖の亡霊に惑わされるな」

といった言葉を言われたそうだ。

この言葉を聞いて先生は、

「私はそんな中途半端な気持ちで来たのではない」

と講習中に怒って帰ってしまったそうだ。

数年後に再び道院長講習を受け、今では多くの門下生を抱える先生になられており、俺も尊敬している。

その時、講師が言った「開祖の亡霊」とは一体なんなのか?

ずっと考えていた。

開祖が少林寺拳法を創始してから60年が過ぎた。

時代に合わせて変えなければならないもの、変わってはいけないもの。それぞれあると思う。

技、組織、教え・・・

問題が生じるのは、その認識が人それぞれだからだ。

不思議なことに

同じ時間に同じ場所で同じ先生に同じ説明を受けていても

なぜか人によって受け取り方、解釈の仕方が違うことが多々ある。

俺自身もそんな経験がある。

「開祖はこう言った」

「開祖ならこうする」

「開祖の技はこうだった」

・・・

俺も縛られているのかもしれない。

実際に見たことも、会ったこともない「開祖の亡霊」に。